フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

2018-01-01から1年間の記事一覧

回る車輪

家から駅までの道は少し遠いほうがいい。今日は左目から涙が溢れて、スタジオの工事は中止されていた。 あの駐車場に止まっていた青い車は黒くなっていたし、シロツメクサの薬指は少し緩い。 電車が遅れているとアナウンスがあって、病院の時間に間に合わな…

甘い嘘

ショートケーキを食べながら、テレビを見てケタケタ笑った。父親のことは今でも好きにはなれなくて、でも似たような癖があることが嫌ではない。愛していた人が小さくなった気がするのも、どちらのせいかわからなかった。床に溢れた破片と鈍痛、遠い空もいつ…

ショートケーキ

言いたいことはたくさんあるよ、でも全部は教えてあげない。 君がもっと甘くなれたら雪も降るだろうし空も赤くなる。 ただ、夕暮れが見たかった。月も夜も街灯も信号機も全部捨てて赤く染まりたかった。 私は自分勝手だから、愛のために生きることはできない…

止まった時間

一カ月くらい下書きにためていたものを全部公開しちゃった。季節おかしいものとかあるし、変な人みたい。中途半端なメモ書きが部屋に散乱しているし、あと少しで麦茶はなくなる。今が夏だったら嬉しいんだけど、隣のハロゲンヒーターの温もりで生き延びてい…

ひとりのじかん

駅のベンチで時間を潰している イヤフォンつけてなくて、 発車ベルの音とか、聞き慣れた男性の声とか 足音が気持ちよく私の心も潰してくれる。 いなくなってしまったみたいだ 別に触れてもいなかったよね、 例えば寄り添う二人の姿に何を重ねるのか キャリー…

もしも世界を救えたら

電車に長時間乗っていられない。気持ち悪いけどスマホ離せない。疲れて眠ることもできない。 いろんな広告に紛れてどれか一つくらい誰かに向けたラブレターとかあってもいいじゃん。 もうわたしは愛することも愛されることも諦めたから、あなたの本物見せて…

満月

こんな大きな世界なのに小さすぎる私だと思う。ひとりぼっちの気持ちはどこまでも潜れる、空気なんていらない。そうだよね、全部脳みそのせい。心なんてないし、君への気持ちも都合よく流して蓋をして見なかったことにした。頭痛がする。枕二つ並べても使う…

耳鳴り

ああ、私は生きてる。歌えば反応は返ってくる。捻じ曲がった骨が痛む。用意された台の上に服を脱いで立ち尽くす。アオイイロは苦手で、本当はピンクが好きなことも言えない。私には似合わないものばかりで、こんな顔潰して笑っていた。良いことも悪いことも…

逆さの地球

星が綺麗だと思うくらいに、わたしの心は汚れている。だから、もっと壊してくれて構わない。そうやって深く、奥まで消えてしまおう。本当の気持ちは見せられないし、だからいつだってわたしはありのままです。 頭が痛い、また同じところが痛む。好きだった人…

どこから月は欠けるのか

左手首が死んだ。古い呪いにかかって死んだ。また動く時まで今はただ待つ。慣れない右手でスマートフォンを叩く。 好きな人に会えたら、もう二度と会えない人に会えたら、そう考えるだけで楽しくなるのはもう君がわたしの中にはいないから。 何もない部屋で…

明日で終わる

長かった戦いもようやくお終いが見えてきたから、ちょっと元気になって夜更かしもしちゃったりする。久しぶりにはてなブログにログインした気がする。全部あやふやで本当はもう死後なのかなって思ったりもする。そんな時もありますよね、妥協も肯定も同じよ…

遠くのラジオ

爪が伸びてしまった。ビタミン剤をたくさん飲んだ。蝉の声なのか秋の虫なのかわからない、知らない誰かの音がする。夜のせいにしたら朝は来るとしても、私の夢に続きはない。乾燥した肌と止まらない涙と青い空の不釣り合いさも真っ赤な自販機も何もかも嫌い…

選択肢

生きていてよかったなと思うことが増えてきた、逃げてばかりの人生だった気がするけど、でもちゃんと進んでいたんじゃないかなって今では思えるようになった。 理解できない心境は全部真夜中のせいにしよう、湿度のせい、秒針のせい、変わっていく景色も未来…

流れる雲と青い空と 走る電車と涼しい風と 懐かしい名前、笑顔と泣き顔も全部 あの時のまま生きていてくれたら見つけやすいのに変わってしまった また新しい歌を覚えて踊りたくなって 連れていかれるまま働いて1日が終わる。 君のいる世界。私がいた街。

誰かに大切にされてみたいなって思う。砂糖菓子のように甘くなれたらもう少し毎日がゆるく流れたのかもしれない。月が雲に隠れてしまったのは、夏が夏のまま終わってしまうのは、君の後ろ姿もおぼろげになって顔にかけられた煙草のケムリのよう。汗が滲んで…

なんでもいいや

赤くなった肌を見つめて夏も終わったと感じている。 平成最後らしいし、きっとこれで大正解だと来年の私は言う。 君がどんどん優しくなるたびに、どうしようもなく悲しくなる。 人目を気にするくせに、手を繋いだりキスをしようとしたりするのはどうして。 …

夜宴

痛みが恋であるなら、この気持ちは愛だ。 街灯を照らすのが夜ならば、私の涙は嘘になる。 癖のついた髪を撫でて、枯れてしまった信号機を眺める。 赤、青、黒。消えてしまった物の在り処。 大胆不敵に笑ってみれば、遠くから揺れる風に香る煙の色。 君の声が…

小さな部屋

控えめに流れるジャズ、オレンジ色の灯り、君がいない、画面の中の揺れている人は誰だ、爪を短く切った、アルコールには手を出してはいない目覚まし時計はもう動かない、コップの中は空だ。乾燥する唇、甘ったるい香りの空間に見えてほしい現像もいない、首…

朝が来る

前よりも言葉を吐く回数が減った。目覚まし時計よりも先に起きることが増えた。 笑うことは前と変わらない、でも今の方が生きていると思う。 幸せかどうかはわからない。 夜更かしをしなくなったら、不幸がなんだかわからなくなった。 普通になってしまうこ…

夜景

なんでもない休日、甘いケーキを食べて胃がもたれた。 うまくやりあって、折り合いをつけて 私だけがつらいわけじゃない、とか ありふれた理由を武器に強くなったふりをする。 君に会えた日は特別だった。 私、どこまでも食べるくらい軽くなった気がして タ…

おぼろげ

埃かぶった看板と焦げた黒髪、 少しずつ上がる声は大きな月を見上げたようで。 春を感じて軽くなってしまうから、 あんなに涙したことも綺麗な言葉で表せるの、素敵でしょう。 私を選んでくれたことも君を切り捨ててしまったことも さよならがあたたかったの…

青い花束

遠くへ行ってしまう可愛い女の子のために 手紙を書くことにした。 出会いと別れの季節になってしまったのだと 嫌でも思い知らされて、聞かなかったことにしたい。 幸せでしたと笑って泣いた彼女は、 とても綺麗だったな。 桜が咲いてしまうことを、私はずっ…

誕生日

今日で24歳になりました。なんてことのない1日、お仕事してたし。とても疲れてもう寝ちゃいそうでも誕生日は今日だけだから、ぐだぐだな日記でも。去年は一年かけて再生していて今年は飛べる気がする次に見る桜はとても綺麗だろうな、とかちょっと口が緩んで…

甘い夜

大好きな音楽に救われて、ヒーローみたいな人たちに憧れて、 私はおしまいまで生きている。 まだ続いていくのが不思議でしかたないけど きっと最後までやり遂げてしまう。 さよならしか待っていない世界できみと二人でどこまでいけるかな。 終わりの涙はきっ…

花になれば

春が近づいてるのが、外の匂いでわかってしまう マフラーも手袋もいらないくらい、外があたたかいから。 ニコニコしながら散歩して、桜のこと考えてニヤニヤした。 あの思い出もこの思い出も全部一つずつ大事にしたい 名前をつけてまた開くときまでしまって…

染まりたい

もうすぐ誕生日が来る。 前の仕事を辞めてからの一年はあっという間だった。 案外生きるのは楽だったんだなと、 マニキュアの剥がれた爪を撫でながら思った。 あんなに苦しんでいたのに、ばかみたいじゃん。 知らない間に乗り越えちゃってるの、やめてほしい…

ご褒美

私にはピアノも猫もない。 今日は雪が降らないから、誰も特別になれない。 甘いマシュマロの匂いがする部屋の中、 暖房の風量を強くしてパーカーを脱いだ。 きっと笑顔を振りまいて誰かを幸せにすることは 私には出来ないのだろうけど 君と二人でなら目がな…

ムーン

乾燥する肌で冬を感じて 咲いてしまったら価値のない桜だ。 暗い夜のままでいい、 赤い月はとても素敵、 誰も見上げないからずっと見つめていたあの日も 息が白いねと笑いあったあの日も きっと明日は忘れて、明後日には思い出すの。

帰り道

人身事故で遅れる電車、 暗い歩道、お店の灯り、 春になったら苺のクレープが食べたい。 小さなかたまりの氷たち、雪がそうでなくなったもの、 頬を裂くような冷たい空気も 手袋を忘れて石のような両手も そのうち忘れ去られて、また思い出される。 音楽を聞…

星と月

私だけの夜空が見つからない。 知らないところがどんどん増えてしまうのは、 幸せとは言えないと思うんだ 空いた薬の瓶、ヴァセリン、流れる音楽 暖房の音も風の音も心臓よりも小さく優しい どうか否定してほしい 嘘でもいいから甘い君でいてほしい 全部わか…