フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

夜明けはいらない

寂れた街を一人で歩いている。楽しんだもん勝ちだと彼は言う。おはようと告げるとすぐに返ってくるから、 きっとまだ寝ずに働いている。絞られるようなあの痛みも抑えようのない悲しみも仕方ないねってことにした。大きな通りを前にして、目の前の大群を前に…

はんぶんこ

流れ星の気持ち、人生ってこんなんなんだ。話を聞いてほしくても誰もいなくて、笑っている私寂しがりやかな。ああ本当に世界は眩しくてうるさくて誰にでも不平等で酷い。明日が続いていくことを受け入れられるのが奇跡みたいだ。いろんな歪さも綺麗に見える…

あと少しが積み重なって永遠になる

誰かと誰かの交わるところ、昼間に見る夢、容量の空いた心に水を注ぐ。君のことは忘れないよ、ずっと忘れないよ言ったことは忘れたいよ。最後に言えなかった言葉も今は伝えられるような気がする。繰り返した記憶は改ざんされて全て正しかったのだと思わせて…

手放すには大きすぎた愛

眩しいくらいの朝に強く吹く風は苦手、私がずっと泣いているのは悲しいからじゃない。坂道を上ってこの町の一番高いところにいく、忘れたいことはたくさんあったけど毎日笑って生きられるようになったのは誰かのせいだろうな。軽くなった身体は世界を広くす…

空腹のカラス

思いは歌うべきだと思う、それくらいの温度の方が火傷しないから。電池が切れかけていてそのうち軽くなって消えるだろう。物足りないけど気持ちがよくて、もう同じことは二度とない日々が綺麗に色づいていく。言えないことが多い方が、言わないことばかりの…

太陽

もう少し綺麗な円になりたかった、出来ないのであれば四角くなりたかった。どちらでもないばかり選んでいたら自分を形容するものは何もなくなった。君の好きなものが私の好きなもの、一緒になって同じになっても混ざりあえないのは知っている。決して優しい…

君が知らないひとになるまで

満たされてもなくならない、きっと見たかった景色はどこにでもある。私はこうやって歩いてきたと胸を張ることはできないけれど、少し優しい視線で世界を睨んでるみたい。大人になると上手く笑えるよ、何もかも秘密でもそれがいい。私が好きな私でいるために…

ワレモノ

東京に住んでいた頃に聴いていた曲は危険で、私はまっすぐに歩くこともできないので、でもそれが誰の目に映ろうがわたしにとっては美しいことだった。季節が変わるのだから私だって変われるんだと置いていかれた夏に少し眩んでしまう。素足で歩いてみたって…

月になりたい

冷たくて優しくてよく分からなくて雨に濡れながら夏みたいだねと笑った。水滴で前が見えなくて、世界がキラキラ光っているみたいでちょうどよかった。うまく生きられないこと、もがいている姿が美しいこと、あの人ならこの夜を綺麗に切り取ってしまえるけど…

世界を愛することと自分を許せるようになることは似ているようで違う。

好きにはなれないのに好かれようとして昼間になって夏になって、愛を簡単に語る人たちに憧れては馬鹿にして孤独をえらく思うようになった。春を待つことはやめたし、それでも君が好きでどうしようもなくなる毎日で、エアコンの温度はどれが正解かわからなく…

春になる前の姿

あの重たいカーテンを開けてどこにもない窓を思い浮かべて、同じ様に笑えればはじまりはどこにでもあるからおわりに向かって歩いていく。もう少し早ければなんて、夜が明ける前にいなくならなきゃなんて、ただ進んでいく足は止められないまま前も後ろもない…

ねえ、いっそ

きっと明日なんてあるようでないんだ、えぐられた気がして胸をさすっても何もないから頭をかしげてみた。わかるよ、何もわからないことをずっと理解してそのままにしている君の姿もあのままだ。ちゃんとしない人間の行く末のこと、よくある未来への羨望、幸…

割れた太陽

守らなくていい、濡れたままでいい、少し傷がついた方が美しいと信じているから夜は遠くに感じる。あなたの嘘に泣いてみたい、白い花になって消えてみたい、自分だけがいなくなった世界があまりに当たり前になってくれたらどれだけ楽だろうか。

春の記憶

雨の日の匂いも、力の入らない腕も、好きだった東京も、夜風に揺れるスカートも、信号の赤も、好きだった人の顔も、慕ってくれていた後輩たちの声も思い出せなくなってとても優しく傷ついている。 私が大人になることは全てを諦めることではなくて君を嫌いに…

わたしのものじゃないもの

鳥の声は君を他人にする、部屋の明かりは外の気温は霞む視界は私を誰かに変えることもなく流れていく。 はじまりを思い返せば道は続くとしても、もう何にもなれないと膝を汚した日がなくなるわけじゃない。 朝が染まれば人は働く、夜に思えば街灯は佇む。こ…

終末

笑っていれば幸せだと思えるからただ笑っていた。笑い方を忘れなければ全ては上手くいくのだ。窓の外のすぐ手にできる世界の鮮やかさと気の遠くなる感覚、自分の身体が動かなくても世界は終わりに近づいている。まだ、何も、とすがりつきたくなる夜もどこま…

濁流の群れ

世界を新しくしよう。誰を愛したって憎んだって全て許されるようにしよう。 焦げたトースト、窓の外の熱気、まだどこにもいけない誰かのための歌も花も、 汚れたフィルター、もう着ない服、私だけの君は彼らは、 欲しいものばかりで満たされない日の心臓はや…

遠くにいる人へ

生ぬるい部屋の中、薄着になって夢を見る。もう暗い公園にいる街灯を見て夜は誰にでも優しいと言った。車のエンジン音がしたから、誰かが帰ってくるんだろうな。底が見えてきたクリームの缶、読み終わった雑誌と小説の束、星を見上げたら何か見つかるとして…

思い出が崩れるときに音は鳴らない

思いは届くと誰かが言った。 室外機の横、影を踏んで黙る人。 話せば長くなるから明日の天気は雨で、短歌を考えてはまた一つ沈む。 傷口の赤がまだ綺麗なうちは彼のことも忘れないでしょう。 夏がくればいいと零した体温計の先、着古したパジャマの裾、 どこ…

ジレンマ

君は嘘、蛍光灯は灰色。 錆びた弦、誰かの落とした言葉。 段ボールに詰められた青春と 私だけの儀式は、夜に融合する。

499

新しく買ったワンピースがなんだか似合わない気がするから、あの子みたく髪を伸ばしてみようとおもった。外が、みんなが、世界が、誰がいても私ひとりだけ別の色の上に存在しているようで鏡の中を覗き込んでも自分しか映らない。テレビと同じように笑っても…

私の日常

きっと明日には冬がいなくなるだろう。そう願って駅へ向かう道にある駐輪場に置かれた新しい自転車たち、白い顔の人の群れ、もうすぐ切れてしまうイヤホン、自分で選んだことに自信が持てないと塞がる時もある。誰かと笑いながらご飯を食べられるようになっ…

歩け

窓なんて開けなくても今日の天気くらいはわかる。気づけば7時18分に目が覚めて少し悔しくなる。もう桜が咲いてしまっているからまるで失恋みたいだというね、満たされたら感じなくなるものはいずれ世界を狭くしていくもの。私には何もないのにいつか叶えたい…

変わることは美しい?

前の投稿からずいぶんと経ってしまって世界も自分も変わってしまった。花札をはじめてやってみて全然わからなかったり、アフタヌーンティーはもういらないくらいの甘さだったり。この世界は綺麗なんだと説明できるものがたくさんほしいから君のことばかり考…

何も考えていないようでずっと回り続ける命がある。君の言葉に触れてみたくて同じ香りの髪になる。冬が来ないまま春になったら、あの涙は無駄になるのか。ただ微笑んでいたいだけなのに煩わしい人の群れは。

ぼくらの街

いつかあの人みたいになりたいと思って生きていても、自分がその歳を過ぎるとあまりの未熟さに恥ずかしくなるもの。大人になんてならなくていいから、ここは綺麗な新宿のようでした。君に出会ったのはいつの冬だったか曖昧になって美しい。崩れたら直せばい…

胃もたれ気味

最近は本当につまらない人間になってしまったんだと笑いながら反省している。あの頃の自分に2つくらい謝らないといけないことがある。どうしても心の底で許せないものがあって、重たい指で一つずつなぞっていっても変わらない。四季ごとになぜそんなにも揺…

阿吽

君について考えていれば大抵のことはどうでもよくなるんだ。だからほとんどのことは何も変わらずにうまくいく。初めて会った時よりも優しくなったねと言えば、最初から変わってないよなんておどけてみせる。可愛くも美しくも綺麗でもない私が世界の中心で息…

近くて遠い夜

伸びすぎた髪に触れる右手 目を閉じた後の祈りの先に 与え合えば分かり合えるか 青の温度もオレンジの夜も

ほとんどきみだけのばかり

君は何も知ろうとしないのに私の知りたいことを何でも教えてくれる。いつも眠そうな顔をして私の話を聞いたつもりでどこかそっぽを向いている。ガサツだと言われて口を大きく開けて笑った時、そういうところだよ、って怒られても心地いいから仕方ないの。そ…