フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

私だけの夜は

幸せでいることが何よりも不幸だからもう目を開けられなくなった。 薄まっていく意味も明日も今日のままでいてほしいと願うだけ。 チョコレートの唇を滲むまで噛みつぶしてあの服もこの服も似合わない。 頭痛がする、部屋からは出たくない。2錠を飲み込んで…

君だから、がほしくて

同じ世界なのに違うように切り取って遊ぶのが好き。ひたすらに歩いたらブラウスが背中にひっついて邪魔になる。夏は終わったんだと口にしないで姿を変えていく人々。空を見上げれば目は惑う、汚い音にかき消された言葉、置いていかれたプラスチックの塊。ど…

嘘つきのほんとう

私が見つかったのは冬が来る前の夜だった。 今はもう覚えていないと答えるのを拒絶したくらいに昨日は残酷なことばかり残していく。 枕を2つ用意して眠るけど使うのはいつもオレンジの方。 明日がくれば何か変わる気がする、と毎日同じ願い事ををしている。…

ユーアンドアイ

午後2時の見慣れない広告たちを見上げて過ぎる時間。 好きなものが増えていけば私を表わすのが難しくなる。 完璧に見えると壊したくなるよ、どこかおかしければとても愛おしい。 あんなに冷たい目をしていたのに、と誰かに聞いてもらいたくなるくらいに 火傷…

サイゴノハナビ

夏が終わったと誰かが言った。 街灯もない夜の真ん中の小さな光 宿題のない毎日を過ぎて 小さな頃の夢は燃えた。 火傷でもしたらまた出会えるだろうかと 静かな煙に包まれて閉じる。