フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

正義は重すぎる

今日は風が少し寒いけれど、良い天気だった。苦手な裁縫にも挑戦して、姉と母に笑われながらなんとか完成させた。いらない服を選別して、いろんな気持ちもまとめて捨てた。軽くなるにはまだまだ時間がかかる。でも明日には私は外に向かわないといけない。 必…

トリガー

守られるほど女の子らしくもないよ。だからといって君を守れるほど強くもないよ。助けたかった人は一人だけ。結局、私だけ。 坂道を上れなくなって、ひたすら真っ直ぐ歩いている気がするんだ。最近は雨がよく降るね、もうすぐ夏もやってくる。目の前のことは…

海底

私がずっと好きだった人は 誰よりも海に近い目をしていた。 うるさい人は嫌いだけど 冷たい人も嫌なの、わかって。 わがまま、治らないよ。ずっと。 ごめんなさいの練習を。 いつだって我慢できなかった 顎から垂れてく涙たちが憎かった 私は強くも優しくも…

春になれ。

春服を買ったのに、まだ着れそうにもない。春がもうすぐやってくることも、冬がいなくなってしまうことも、来年も変わりやしないのに永遠みたいな一瞬だった。 全てが決まるのは今ではなくて終わりの時であっても、私はずっと火傷の跡を撫で続けている。お別…

「本当は普通になんてなりたくないんじゃないの」って、そう聞えた。聞き流しながら食べた白米は水加減がちょうどよかった。ウイスキーが濃い、ジンジャーハイボール。炭酸苦手なんでしょ?って笑われた。そういうときもあるのよって笑い返した。生きるため…

かぜ

鼻が詰まって苦しい。時計の音がうるさい。話せば棘ばかり刺さるとしても、口を閉じたら死んでしまう気がした。機械のように動けたら楽だったろうに、感情に流された身体は海にも浮かないな。期待してまた傷をつけて、そうして生きてくことも悲しみを消せな…

シンボル

電車に乗って、大好きな東京にいく。少し緊張する。全てを愛せるわけじゃないから、うまく笑えるんだと思う。ガラガラの車両に光が差し込んで、北へ北へ向かうのものだけがいる。肩甲骨が痛い。早く軽くなりたい。まだ時間が必要だけど、もう動き出さなきゃ…

厚化粧

髪の毛をばっさりと切ったのに、なんの音も聞こえない。ただ真っ暗に染められた星の見えない夜だった。汗ばかりが滴り落ちてうっとおしい。痛みには敏感な自分がいた。ぬるい気温に心も浮かれたような集団もいたっていうのに。嫌いなものも食べられるように…

さんかく

とんがりの気持ちはいつになっても理解できないだろうなと、なぜだかずっとそう思っている。私が呪いという言葉を好んで使うようなもの。 誰かに支配はされたくないし、自分のことくらいコントロールさせてほしい。そう願っている時点で負け組なんだろうけど…

向こう側

他人はどうあれ自分は変わらないのだから、私は現在の自分と理想の自分との差に一生苦しめられるんだろうなと思った。完璧な人間がいないことは誰だって知ってるはずなのにさ、求めるものがどんどん増えていくんだって言うんだ。誰かのために生きることは、…

夜明けの街灯

シンプルに生きられなくなって、不純物で構成されていくようになった私は、どこにでもありふれたような光になりたいんだよって秘密を抱えながら生きている。あの交差点の前で君を待つ時のような胸の高鳴りとか、寒さでかじかむ指をあたためる仕草とか、ほこ…

ひとりごと

誰にだってその場の役割は与えられていて、私もその指示に従うように働くけど、代わりがいると途端にそのことに無関心になってナマケモノになる。たぶん、どっかの誰かが泣いていたとしたらもしかしたら私のせいかもしれないって考えてしまうこともある。考…

泡にもなれたら。

今夜も走ってきた。今日は初めて5キロも走った。すごいでしょ、口、ぽかーんて開きながら、意識飛ばしてた時間が3分はあったと思う。曲ごとにペースが変わるのが悪い癖なので、同じ曲を繰り返してた。ランナーズ・ハイの延長戦。針で刺してやりたいやつら…

プラットフォーム

トンネル、光の下、 いつもと同じ曲、ブレイク、 悔しかった。悔しかったんだよ。 深い夜、朝とは違う色、 乱れる呼吸もわからなかった、 あなたが見たらどう思ったの。 汗が滲む、ぬるい身体、 制服のカップルが愛のキスをしてた、3番線。 サビ前、暗転、私…

テトラ

空を見上げて走った、雲で星が見えにくかった、真っ暗のまんなか。いつもと違う道を走った、少しのドキドキとペース配分を間違えた顔。汗だく、でも軽くなるようで、正しいんだよって頷きながら電車を見送った。どこかの夜ご飯の匂い、人とすれ違うのはまだ…

挿花

春になれないものが、形だけの春に取り憑かれるようだった。ニセモノ。あの人は雪が似合う。胃がまだシクシク痛むのも、寝癖まみれの髪を見て笑うのも土曜日らしいなって思うよ。 わかりきったことも、教えてくれない。その口の意味とか、価値とか。シンプル…

あなたがいて

煙草、嫌いじゃなかった?と聞かれて、そうだったっけ、ってとぼけてみる。 全部君のせいです。その姿と匂いに惹かれたせいです。言わなかったけど。 悪夢にも近いような変な夢を見た、もう乗り越えたはずのこととか、逃げられることから逃げないこととか、…