フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

遠くにいる人へ

生ぬるい部屋の中、薄着になって夢を見る。もう暗い公園にいる街灯を見て夜は誰にでも優しいと言った。車のエンジン音がしたから、誰かが帰ってくるんだろうな。底が見えてきたクリームの缶、読み終わった雑誌と小説の束、星を見上げたら何か見つかるとして…

思い出が崩れるときに音は鳴らない

思いは届くと誰かが言った。 室外機の横、影を踏んで黙る人。 話せば長くなるから明日の天気は雨で、短歌を考えてはまた一つ沈む。 傷口の赤がまだ綺麗なうちは彼のことも忘れないでしょう。 夏がくればいいと零した体温計の先、着古したパジャマの裾、 どこ…

ジレンマ

君は嘘、蛍光灯は灰色。 錆びた弦、誰かの落とした言葉。 段ボールに詰められた青春と 私だけの儀式は、夜に融合する。