フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

風船

君からもらったちっぽけな愛を抱いて生きている。 誰にも言わないはずだから、私だけの君が今も生きている。 欠けた薬指の爪、眺めてため息をついた。 空が分離する前に家に戻らなくちゃいけない。 私はずっとあの季節から戻ることができない。 夏みたいな春…

私の名前

本当の私を知っている人は数えられるくらいでいいと思う。 君が最後に呼んでくれたことが、魔法みたいにキラキラしている。 あの春の日に私は本物を知って生きることを選んだ。 髪をいじる癖が治らない。軽くしたんだねと触ってくれるから短い髪型ばかり選ん…

翼があれば

君は今誰を抱いているのだろうなと ふと思ってしまって どこまでも自由な人だったから ずっと寂しくてたまらないのかと 勝手に想像してやめた。 自分のことで精一杯だから 他人のことなんて気にしてられない 君はきっと君らしい幸せを選んで それは私にはう…

夜は続く

人の群れ、魚みたいだと思った。 眩しすぎるから見えなくなって ぶつからないように息を吐いた。 大きな看板、すれ違う人、 私もその中のひとつだと知った。 三角の感情も、 輝く街に躍る胸も 冬だと伝える風、冷たい手。 偽物だとばれないように、 息を止め…

秘密

また一つ言えないことが増えて 大きくなる世界に私は戸惑うばかりだ 正義が音を立てて崩れたら 誰かが拍手してくれる気がする 君のこと嘘にはしないよ 全部飲み込んで私は生き抜いている お気に入りのスカートを履いて あの時とは違う景色を歩いている 君も…