フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

じめじめ

道路の真ん中で子猫が毛づくろいをしていた曇り、紫陽花、自転車の音が後ろから近づく。汚い顔だなと鏡を見て思う帽子を深くかぶって校舎の横を過ぎる。長袖の季節が好きだ夏は隠せないから、苦しくなる。私が世界の真ん中であると感じていた時期が懐かしく…

笑っていて

恋がしたい。恋をしたい。ずっと恋していたい。水の中にいるときみたいな、泡だけを見ているときみたいな、声を出しても伝わらないくらいがちょうどいいんだ。いつだってこの世界は溢れすぎていると感じている。黄色と黒が多すぎる世界で、夏は嫌い。雲のな…

錆びたギターを

君が言ったこと、触れたこと、なんかよくわからなくて川に捨てた。落ちて流れていく葉っぱもいつかは沈んで見えなくなっていく。海の底は知らない方が幸福だろう。彼ならきっと、自分の耳だけでチューニングを合わせられるのだろうなと、ふと思い出して笑っ…

再生

生まれ変われないのだから環境を変えるしかないんだなと、自分で組み立てたシェルフを見て思った。相変わらずの微妙のセンスで、インスタグラマーたちには敵わないけど、別に今はどうでもいい。自分がまた息を始めた気がするから、それでいい。 ジャズを流し…

悪夢の続きを見ているみたいで、梅雨は嫌いだ。頭の奥の方がじくじく痛む。 ごめんなさいが言えなくなった相手のことを思っても仕方がないのに。 ねえ、あたし、あなたにあえて、なんて伝えない方がとてもロマンチックでしょ。きみはそう思わない? 伸びてし…

たわいもない話

昨日が姉の30歳の誕生日だった。家族みんなでご飯を食べに行って、お酒なんて飲んでないのにとても楽しく笑えた。ああ、ようやくだ、と思った。 私が高校生の時とか、家族の仲がものすごく悪くてはやく一人暮らしがしたいんだってずっと思っていた。父親の孤…

豪雨

網戸の外から何かが叩きつけられている音がした。雨だ、この匂いでわかる。相変わらず、目と耳と鼻だけで生きている気がするよ。幸福だ。 何かが終わっていくから、あなたがどんどん大きくなる。汗が目に入って苦しくなるみたいに、イブに間に合わなかったケ…