フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

また明日

あの青を君は赤と呼ばないから、私の今日は染まらない。雨音が聞えない夜の駐車場の街灯の下の小さな生き物たち。きっと、何かが変わっても僕らはこのままだと笑いあえるのは幸せなことだ。そう信じて傘も差さずに歩いていく歩道の向こう。

ショートブレッド

今日も理不尽で小さな世界で生きて、この前可愛いお店で買ったクッキーがおいしかったことだけが正解の日だった。湿気にやられて消えてしまいそうだし、平成が終わる気だって更々ない。明日もあさっても誰かのことだけ考えて時間が過ぎるのが最高でしょ。き…

思いは

私が言葉にするたびに大好きな君が遠くなる。甘い香りに包まれても可愛い女の子にはなれないから、黄色い線の外側を歩く。風に揺れたそれは、きっと美しいと形容されるのが幸せだ。迷子ではないのに同じ道を何度も通っては喉が渇く。あの桜並木もおしまいに…

優しい傷跡

君なら傷つかないだろうって笑われたけど、私だってあなたと同じ人間ですけど、涙だって出るし死にたくもなるよ、当たり前だろって、言えなかった。だから空気になれたらよかったんだけど、私は私のままでそれはずっと続いていくんですよ。ねえ、今どんな気…

返事を待つ間は

何をしても自由になれないのなら手に届くもの全てを口にして、気になるあの子も檸檬みたいに遠くの人になる。面と向かい合って話せばすぐ終わってしまうから、どうでもいいことを連ねて本当のことは言わないままだ。君が好きだった女の子の名前を教えてくれ…

斜陽

駅のホームで買ったコーヒーを飲まずに流しに捨てて、テレビの向こうの人みたいに笑ってみる。人生が思い通りにならないことが思い通りになっているから、楽しくなって転んだふりをして傷ついても今日と一緒に明日に向かって終わっていく。私に夜が来ても何…

普通になれない

「詩を書けなくなるくらい幸せになれたらいいね」と誰かに言われたことがある。その意味はわかるけど、理解したくない気持ちばかりでどうしても納得がいかなかった。なぞるたびに苦しくなるから、過去はなるべく思い出したくない。あの頃の私はもういないけ…

星が消えても

好きな人が遠くにいってしまって、たぶんもう二度と会えないんだと思う。幼い頃の私を救ってくれたヒーローみたいでとても眩しかった人。 言葉が出なくて、でも今日も終わってしまうから明日になる前に終わらそう。赤い目、視線の先、言わなくてもわかる言葉…