フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

普通になれない

「詩を書けなくなるくらい幸せになれたらいいね」と誰かに言われたことがある。その意味はわかるけど、理解したくない気持ちばかりでどうしても納得がいかなかった。なぞるたびに苦しくなるから、過去はなるべく思い出したくない。あの頃の私はもういないけど、私は同じ身体で私を生きている。

きっと普通の女の子のつもりだ。でも普通じゃいられないし、普通でいたくないとも思う。それでも普通なんだ。ありふれた一人の人間で、明日も生きるつもりだけど明後日には死んでしまうかもしれない。満たされたと思ったら欠けているし、いつまでたっても来ない返信に淡い期待を抱いている。

私はまだ自分を愛せたことはないけど、君のことは愛していたよなんて言えてしまう。不思議でしょ、きっと本物にはなれない。だから空は青くて、信号は赤い。君を黒くしても私は白くなれないのに、いつかきっとまた会える気がする。