フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

もしも

蚊に刺された跡が真っ赤に染みていて、 キスマークみたいだなと思いながら誰のこと浮かべていたか。 いらないものばかり捨てられなかった私の真ん中。 私の知らない君が今も生きていることが寂しい。 割れたガラスの向こうに、何が見える。 誰にも知られない…

魔女の目

今日の三日月はなんだか綺麗で 吸い込まれてしまいそうで、立ち止まって眺めた。 頬に触れるなまぬるい風、横断歩道、 枯れ葉の踏まれた音、どこからか金木犀の香り、 まだ明かりの消えない校舎の前を通り過ぎて 誰も待ってはいない家に帰る。 桜が咲けば呪…

夢中

横顔も寝顔もまだ知らない過去もあの夜景も坂道の向こうの景色も二日酔いの朝も全部間違いなく本当で私は今も生きてる。君がいなくなる時まで一緒にいると言ってくれた人がいて、その言葉は魔法みたいに軽くて台風に吹き飛ばされてほしかった。 君に嫌われな…

机の上に物がたくさんあったから、全部箱の中にしまって楽になった。 窓の外、虫がうるさい。いらないものばかり集めている気がする。 扇風機の風で壁のポストカードとドライフラワーがひらひら舞って、落ちてこないか不安になって、 明日には東京にいるのだ…

赤い星

左手の爪が伸びるたびに、部屋に置いてあるギターが錆びていく気がする。 麦茶を飲んで汗をかいて、私は8月45日くらいを過ごしています。麦わら帽子も今日がきっと最後。 イヤフォンしているのに聞えてくる笑い声、電車の中で騒いでいた人たちが少し羨ましか…

昨日のこと

髪を切ってから初めて会ったから、「ねえ、何か言うことあるんじゃない」って問い詰めても、何も出てきそうにもないから切ったんだよって目を合わせずに言った。そうしたら、あ、そういえばって顔をして「似合ってる、そっちの方が好き」だなんて喋り出す。…

西へ行く

やっぱり新幹線は苦手だった。三半規管が頑張ってくれない。アネロンのニスキャップ。修学旅行みたい。 あっという間の2泊3日で、でも出発前から左足が痛くてずっと湿布貼って歩いてました。老いを感じた旅行でした。関西弁とかたくさん聞けるといいなあと思…

ソーダ水

いつもよりも遠くまで歩いたから足の裏が痛くなった。 知らない道、知らないバス停、変な名前の川、デコボコな道路 欠けた看板の意味が読めなくて、車のライトは遠くからでもわかる。 誰かのための正義で傷つく人がいるんだって 炭酸は苦手だったけど、気づ…

髪を切った

また一つ愚痴を吐ける場所が減ったけど、私の心は綺麗になった気がしている。 美容師さんが素敵なカフェの場所を教えてくれたから行ってみたけれど、今日は定休日だった。 インスタ映えもフォトジェニックも、全部生きにくくなっているだけだよ、 風に運ばれ…

変われないもの

もう静かな曲しか聞けない、あとは全部ノイズみたいにガサガサしている。 夏が終わってしまった。風が強い日はどうしても顔が険しくなった。 踏切で通せんぼされて、通過する電車を見つめていたら自分の姿も見える。 小さな町では生きにくいです。どこか遠く…