フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

夜明けの街灯

シンプルに生きられなくなって、不純物で構成されていくようになった私は、どこにでもありふれたような光になりたいんだよって秘密を抱えながら生きている。
あの交差点の前で君を待つ時のような胸の高鳴りとか、寒さでかじかむ指をあたためる仕草とか、ほころぶ顔全ても捧げてしまったのはそんな昔の話じゃなかった。
バス停前、横顔、視線、終点行き、甘くないチョコレート、季節外れの雪、パン屋の匂い。
お互いに欠けていたし、傷んでいたし、あの横断歩道も赤信号も叫んでくれたら気づけたの。
忘れたいわけじゃないけど、引っかかれた傷もまだ残ってる。目覚めるたびに喉が乾くのも、視界がぼやけて白に変わるのも、あなたがいる前からずっと同じ、あの時のような景色をまだ私は見ている。