フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

染まりたい

もうすぐ誕生日が来る。

前の仕事を辞めてからの一年はあっという間だった。

案外生きるのは楽だったんだなと、

マニキュアの剥がれた爪を撫でながら思った。

あんなに苦しんでいたのに、ばかみたいじゃん。

知らない間に乗り越えちゃってるの、やめてほしいんだ。

いつかのために今日も生き延びてしまった。

たぶんそろそろまるくなれるような、そんな期待ばかりで。

帰り道に浮かぶイメージも、夜空を見上げて思うテーマも

あの頃と変わってしまった。それも全てが正しかった。