2019-08-11 夢中 日記 夏の匂いに追われて、水になれば眼が覚める。君を傷つけられるのは私だけだと思うと、こんな世界にも優しくなれる。いつもよりも少し歩くのが遅くて、私は最後に本になる。明日がいらないくらいの幸せ、あなたは知っている?
2019-07-30 100年後 日記 こんなにも泣いたのだから明日は雨になると思う。 そうじゃなければ張り裂けてしまいそうな軽い命。 あの風船はもうすぐ飛ばされてしまうけど、 ほんとうが残らなくても嘘つきなんて言わないで。 水底の後ろめたさ、永遠は緑に近い色、 気球の群れの音、優しい赤に染まっていく。 異端とか奇跡とか甘い言葉に踊らされて 自分は何者でもないから、月にだってなれる。 明日は君のこと嫌ってみせようと 違う靴を履いても、向かう先は同じ。
2019-07-15 私が星になれたら 日記 群がる人々の喧騒を抜けられず、花火にも夜空にも君にも視線を奪われる今年の夏。甘くない生クリーム、冷たいシャワー、嘘がつけない君の口。他人と比べてどうだとかあんまり考えなくなった気がしたのに、気まずくなって下を向いてしまうことばかりだ。誰かに会う前の気持ちが一番美しい気がするから、いつまで経っても孤独に憧れる。あの人もこの人もひみつを持っていて、私と同じくらいまるくなれないでいてほしい。街に隠れて微笑んでみれば、夜が始まる音がする。