フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

食いわずらい

雨が止もうとしたから、壊れた傘を閉じる。今日はイヤフォンをつけていなかったから、外の音がいつもよりもうるさい。守られていたいのも傷つけられたくないのも、気づきたくなかったのにわかってしまったのは、名前を呼ばれて振り返ってしまった自分が悪かったことにしよう。

酷く悲しい顔をするから、まるで私が加害者みたいだねって笑った。曇り空が一番悲しい、膨れすぎた愛を飲み込んだら最後には形がなくなる。誰かの言うそれがもたらすものは醜い執着と暗い恐怖だけ。そんなものはもういらない、私の希望はどうしようもなく優しい君の全て。

ヒロインになりたい

新しい洋服を買ったから違うところにも行けるような気持ちと同じくらい自由な夜がほしい。エアコンのフィルターをようやくきれいにしたから私は人間に戻れる。生きるって働くって明日が来るって果たしてもう全部わけがわからなくなることばかりで、小さな言葉をずっと引きずって夜を歩く。紫陽花なら雨が似合う、浴槽の中溺れたふりをして自ら助かる日。