フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

スカートが、揺れる。

冷たい夜と甘い君の錯覚。朝目覚めて気づくドアの下の鍵。

溺れたら助けてくれるのか。あの時と同じように泣いてしまう。

試着室で高鳴る胸の、満月を見て指をさした先の、お揃いのマグカップの片方は。

全て思い出にして汚されないように守ってきたもの、もう傷つかないように最後に決めた約束事を。

歩いて、歩いて、歩いて。いつかまた会える時まで、私は女の子でいたい。

あんなに願っていた未来は簡単に明日としてやってくる

過去の自分が他人にしか思えなくて苦しくなったらどうしたらいいのかわからない。

他人だと思うことにして楽になれば自分が誰なのかわからなくなる。

私は一人になった、だからもうあの時みたいに地球を壊そうとも思わない。

救えない愛もないどうしようもない濡れた手と髪と口と夜を抱いて消えてしまった。

だからもう大丈夫なんだ、それがとても寂しいことを君は喜んでくれるのだろうか。

春になれば思い浮かぶあの桜の木のこともいつか忘れて笑う日が来る。

恋と檸檬

鼻と喉の違和感が少しずつ顔を出すから、きっともうすぐ風邪を引く。本当なら早く寝るべきなのに、こうやってキーボードを打ちこんでいる自分が寂しくもなる。上手くいくことばかりじゃないのもわかっているし、あと一本遅い電車に乗っていたら閉じ込められていたことがとても怖い。人生ってタイミングなんだ。毎日って退屈で、でもそれがなきゃ永遠もない。あなたの気持ちが痛いほどにわかるよ。好きな人に会いたいという祈りが溢れる街中で、もしかしたら人間は綺麗なのかもしれないと錯覚した。傷跡だらけの左手も、いつもよりも丁寧に巻いた髪も、私のこと全て抱いてみてよと言えたら幸せになれる。