スカートが、揺れる。
冷たい夜と甘い君の錯覚。朝目覚めて気づくドアの下の鍵。
溺れたら助けてくれるのか。あの時と同じように泣いてしまう。
試着室で高鳴る胸の、満月を見て指をさした先の、お揃いのマグカップの片方は。
全て思い出にして汚されないように守ってきたもの、もう傷つかないように最後に決めた約束事を。
歩いて、歩いて、歩いて。いつかまた会える時まで、私は女の子でいたい。
あんなに願っていた未来は簡単に明日としてやってくる
過去の自分が他人にしか思えなくて苦しくなったらどうしたらいいのかわからない。
他人だと思うことにして楽になれば自分が誰なのかわからなくなる。
私は一人になった、だからもうあの時みたいに地球を壊そうとも思わない。
救えない愛もないどうしようもない濡れた手と髪と口と夜を抱いて消えてしまった。
だからもう大丈夫なんだ、それがとても寂しいことを君は喜んでくれるのだろうか。
春になれば思い浮かぶあの桜の木のこともいつか忘れて笑う日が来る。