フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

帰り道

人身事故で遅れる電車、

暗い歩道、お店の灯り、

春になったら苺のクレープが食べたい。

小さなかたまりの氷たち、雪がそうでなくなったもの、

頬を裂くような冷たい空気も

手袋を忘れて石のような両手も

そのうち忘れ去られて、また思い出される。

音楽を聞かずに帰るのもたまにはいいかもしれない

誰もいない街灯の下、私は自由だ。

星と月

私だけの夜空が見つからない。

知らないところがどんどん増えてしまうのは、

幸せとは言えないと思うんだ

 

空いた薬の瓶、ヴァセリン、流れる音楽

暖房の音も風の音も心臓よりも小さく優しい

 

どうか否定してほしい

嘘でもいいから甘い君でいてほしい

全部わかって飲み込んでくれたら

誰よりもまるくなって飛んでいける

 

月の見えない夜、誰にも言えない秘密、

私はずっと誰かに恋をして生きている。

吸い込まれそうな光の向こうに

私はいつまでも憧れている。

風船

君からもらったちっぽけな愛を抱いて生きている。

誰にも言わないはずだから、私だけの君が今も生きている。

 

欠けた薬指の爪、眺めてため息をついた。

空が分離する前に家に戻らなくちゃいけない。

私はずっとあの季節から戻ることができない。

夏みたいな春、とても寒い夜と孤独な昼。

 

わからないから泥でも草でも何でも口にして、

それを飲み込むことで自分を傷つけていた。

 

消えない傷を誇りだと歌って、

周りには誰もいなくなった。

 

軽くなりたい、飛んでいきたい。

会いたくても会えない人のもとへ

この重い身体とさよならしたかった。

一瞬の本物に一生を奪われてしまった。