フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

風船

君からもらったちっぽけな愛を抱いて生きている。

誰にも言わないはずだから、私だけの君が今も生きている。

 

欠けた薬指の爪、眺めてため息をついた。

空が分離する前に家に戻らなくちゃいけない。

私はずっとあの季節から戻ることができない。

夏みたいな春、とても寒い夜と孤独な昼。

 

わからないから泥でも草でも何でも口にして、

それを飲み込むことで自分を傷つけていた。

 

消えない傷を誇りだと歌って、

周りには誰もいなくなった。

 

軽くなりたい、飛んでいきたい。

会いたくても会えない人のもとへ

この重い身体とさよならしたかった。

一瞬の本物に一生を奪われてしまった。

私の名前

本当の私を知っている人は数えられるくらいでいいと思う。

君が最後に呼んでくれたことが、魔法みたいにキラキラしている。

 

あの春の日に私は本物を知って生きることを選んだ。

 

髪をいじる癖が治らない。軽くしたんだねと触ってくれるから短い髪型ばかり選んでしまうことも

相変わらず胃が痛いのも、愚かなことも、ただ頑張りたいだけなのに上手くいかないことも

乾かない目尻の先も柔らかい髪の軋むほど、

 

どうか今夜は灯りの下へ、真っ直ぐじゃない私の愛の形。

翼があれば

君は今誰を抱いているのだろうなと

ふと思ってしまって

どこまでも自由な人だったから

ずっと寂しくてたまらないのかと

勝手に想像してやめた。

 

自分のことで精一杯だから

他人のことなんて気にしてられない

君はきっと君らしい幸せを選んで

それは私にはうまく形容できないものだけど

たぶん間違っていない。

 

春が来れば

思い出して泣くだろう

それも全て幸せだってこと

ちゃんとわかっているよ。