フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

さんかく

とんがりの気持ちはいつになっても理解できないだろうなと、なぜだかずっとそう思っている。私が呪いという言葉を好んで使うようなもの。

 

誰かに支配はされたくないし、自分のことくらいコントロールさせてほしい。そう願っている時点で負け組なんだろうけど、私は人間を諦めたくないからずっと願っている。

 

今日は寒いねってみんなが言っていた。歩いていると風が冷たくて痛かった。春がもうすぐ来てしまうことに少し恐怖が見えてきたけど、私のことなんて気にもかけないんでしょう。

 

ゆっくりでいいんだよなんて言うけれど、それを認めたら弱くなってしまう気がする。だから強くありたいの。私はまだ出来るのだ。あと少し、あと少しだけでも。

向こう側

他人はどうあれ自分は変わらないのだから、私は現在の自分と理想の自分との差に一生苦しめられるんだろうなと思った。


完璧な人間がいないことは誰だって知ってるはずなのにさ、求めるものがどんどん増えていくんだって言うんだ。誰かのために生きることは、美しいようで弱く見える。


普通になりたいのだから、こんな息の吸い方をしたらバレてしまう。水底から見ていた、あの泡の浮かぶ様子だけが全てじゃないことも、

私が彼女みたく泣きも笑いもできないことも、全部全部お見通しだと微笑んでくれ。


夜明けの街灯

シンプルに生きられなくなって、不純物で構成されていくようになった私は、どこにでもありふれたような光になりたいんだよって秘密を抱えながら生きている。
あの交差点の前で君を待つ時のような胸の高鳴りとか、寒さでかじかむ指をあたためる仕草とか、ほころぶ顔全ても捧げてしまったのはそんな昔の話じゃなかった。
バス停前、横顔、視線、終点行き、甘くないチョコレート、季節外れの雪、パン屋の匂い。
お互いに欠けていたし、傷んでいたし、あの横断歩道も赤信号も叫んでくれたら気づけたの。
忘れたいわけじゃないけど、引っかかれた傷もまだ残ってる。目覚めるたびに喉が乾くのも、視界がぼやけて白に変わるのも、あなたがいる前からずっと同じ、あの時のような景色をまだ私は見ている。