フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

正義は重すぎる

今日は風が少し寒いけれど、良い天気だった。苦手な裁縫にも挑戦して、姉と母に笑われながらなんとか完成させた。いらない服を選別して、いろんな気持ちもまとめて捨てた。軽くなるにはまだまだ時間がかかる。でも明日には私は外に向かわないといけない。

必要なものと、必要な人だけがある世界をつくっても、きっと今と何も変わらないのだと思う。私の愛する人と、あなたの愛する人は違う。はみ出たものは切り落として、まるくなることが正しいとしたら、君も私も三角のままでいるんだろうな。

とてもじゃないけど、私たちは美しくはなれない。嘘はつきたくないけれど、嘘をつかなきゃいけないときもある。

トリガー

守られるほど女の子らしくもないよ。だからといって君を守れるほど強くもないよ。助けたかった人は一人だけ。結局、私だけ。

坂道を上れなくなって、ひたすら真っ直ぐ歩いている気がするんだ。最近は雨がよく降るね、もうすぐ夏もやってくる。目の前のことはいつだって見つめられない。だからいつもからっぽだった、明日のことだけ考えていれば、軽くなれると思っていたんだ。

映画を観るようになって、小説を読むようになって、音楽を聴くようになって、何か変わってくれたらよかった。あらゆるものに化けた君が現実から私を隔離する。

 

「ひとりぼっちになりたかったの」

「だってもう一人にはなれないから」

 

ぬくもりもあいもすべてしってしまった、みたされてしまったことがすべてのはじまり。もうじゅうぶんだ、もうじゅうぶんなんだ。あたしはもうすぐいなくなる。

海底

私がずっと好きだった人は 
誰よりも海に近い目をしていた。 

うるさい人は嫌いだけど 
冷たい人も嫌なの、わかって。 
わがまま、治らないよ。ずっと。 
ごめんなさいの練習を。 

いつだって我慢できなかった 
顎から垂れてく涙たちが憎かった 
私は強くも優しくもなくて 
弱くてわがままな子どものままなんだって

あの凜とした目を見つめながらゆっくりと沈んでいった子のことは 
私が誰よりも知っていて、誰よりも消し去りたいんだと思う。