フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

ほころび

お風呂に入ろうとしたのに

スマートフォン、握り締めて寝てた。

明るい部屋の中で

死んだように眠っていた。

首が痛くて目が覚めて

慌てて薬を飲んで一息ついて

ほらもう新しい日になったから、

喧嘩したことも忘れてしまう。

雨音に隠れて嘘をついた、

私だけの秘密。

もしも

蚊に刺された跡が真っ赤に染みていて、

キスマークみたいだなと思いながら誰のこと浮かべていたか。

いらないものばかり捨てられなかった私の真ん中。

私の知らない君が今も生きていることが寂しい。

割れたガラスの向こうに、何が見える。

誰にも知られない、小さな星になりたかった。

魔女の目

今日の三日月はなんだか綺麗で

吸い込まれてしまいそうで、立ち止まって眺めた。

頬に触れるなまぬるい風、横断歩道、

枯れ葉の踏まれた音、どこからか金木犀の香り、

まだ明かりの消えない校舎の前を通り過ぎて

誰も待ってはいない家に帰る。

桜が咲けば呪いも消えるだろうと

裸の木を見るたびにそう思う。

咳をしながら歩く歩道、いつかを夢見て眠りにつくまで

夏が終わって秋がやってきても、

私はいつものように笑っていたい。