2017-10-03 ほころび 日記 お風呂に入ろうとしたのに スマートフォン、握り締めて寝てた。 明るい部屋の中で 死んだように眠っていた。 首が痛くて目が覚めて 慌てて薬を飲んで一息ついて ほらもう新しい日になったから、 喧嘩したことも忘れてしまう。 雨音に隠れて嘘をついた、 私だけの秘密。
2017-09-30 もしも 日記 蚊に刺された跡が真っ赤に染みていて、 キスマークみたいだなと思いながら誰のこと浮かべていたか。 いらないものばかり捨てられなかった私の真ん中。 私の知らない君が今も生きていることが寂しい。 割れたガラスの向こうに、何が見える。 誰にも知られない、小さな星になりたかった。
2017-09-26 魔女の目 日記 今日の三日月はなんだか綺麗で 吸い込まれてしまいそうで、立ち止まって眺めた。 頬に触れるなまぬるい風、横断歩道、 枯れ葉の踏まれた音、どこからか金木犀の香り、 まだ明かりの消えない校舎の前を通り過ぎて 誰も待ってはいない家に帰る。 桜が咲けば呪いも消えるだろうと 裸の木を見るたびにそう思う。 咳をしながら歩く歩道、いつかを夢見て眠りにつくまで 夏が終わって秋がやってきても、 私はいつものように笑っていたい。