フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

水になる

遠くの街に住む君に恋をして、恐竜の卵も東京タワーも偽物だと知った。

君はきっと違う誰かを抱いて眠る。冬になれば悲しくなるのはそのせいだとずっと思っていたんだ。

胃に大量の麦茶をぶちまけて、ふらふらになって階段を上る。

幸せになることを諦めたくないから不幸にだってなりきれる。

演じることは大切で、いつだって無知が好まれることくらい知ってたよ。

ぶりっこが嫌いなのも、薄いピンクが嫌いなのも、全部あたしに似合わないからだ。

大人になってしまったから可能性がどんどん小さくなっていく気がする。

嘘がこの世界を維持していると、賢い人はちゃんと気づいていたんだ。

マーメイドの気持ちもわかるよ。暗い部屋の中ひとりで目を閉じる。

ガラスみたいだ

ラジオで15歳の女の子が恋をしている話を聞いていた。冷房の風にあたりながらどんどん冷えていく身体とちょっと赤い気持ちと、明日は晴れるといいなって願ったりしてる気持ちで胸が苦しくなる。
スピッツがながれて、ギターが弾きたくなる。爪を切らなきゃ。そういえばこの前マニキュア塗ってみたいなと初めて思った。規則的になる音、爪は短い人が好きです。
ねえ、もっと楽しいことしたいです。ドキドキしたいです。心臓を止めたくないんです。まだ私には可能性がたくさんある気がして、なんでも出来る気がするの。夜だからこんな気分にもなるのかな。暑い時にはなにもしたくなくなるのに。

家の近くに公園があったら、ブランコに乗りたいし滑り台の上に座り込んで月を眺めたい。あと、ベンチに座って話すだけでときめくような恋がしたい。

制服はもう捨てたし、あの時聞いていた曲はもう聞けないけど、全部許して明日も生きていく。

壊れることも、怖くはないよ。 

またいつか

今日も歩こうと思って、肩をぐるぐるしながらるんるん鼻歌うたってたよ。

夜の雲は湿度が高そうで、なんか黒蜜舐めたくなった。胃もたれ、致死量って言葉が好きでよく使ってしまう。
街灯に群れる虫を見つめて苦しくなるみたいに、風のない夜には答えが出しにくくなる。

遠くにいきたい、だから東京に憧れていた。
生きていればまた東京に戻れると言ってくれた人がいて、私は生まれた町に戻ってきたの。
でも、このままじゃだめだ。歯を食いしばって笑いながら加速していく。
背中にくっつくTシャツ、帰宅する人たちとすれ違って、サビが終わるまでにトンネルから抜け出せなかった。吸って吐いて吐いての、繰り返し、明日の自分に許されたくて生きてる。
あのね、もう年齢のせいで諦めるのやめた。私にはまだ未来があるから、過去にとらわれるのやめたよ。なんて言ってもまた後悔して泣いたりするんだろうけど、立ちあがったときの気持ち忘れないように言葉に残しておく。いつか笑いながら読み返すんだろ、もうわかってるんだ。自分のことくらい。
ねえ、あなたにも生はまだあるでしょ。楽しもうよ。楽しんだもん勝ちだと思うの、私は。