水になる
遠くの街に住む君に恋をして、恐竜の卵も東京タワーも偽物だと知った。
君はきっと違う誰かを抱いて眠る。冬になれば悲しくなるのはそのせいだとずっと思っていたんだ。
胃に大量の麦茶をぶちまけて、ふらふらになって階段を上る。
幸せになることを諦めたくないから不幸にだってなりきれる。
演じることは大切で、いつだって無知が好まれることくらい知ってたよ。
ぶりっこが嫌いなのも、薄いピンクが嫌いなのも、全部あたしに似合わないからだ。
大人になってしまったから可能性がどんどん小さくなっていく気がする。
嘘がこの世界を維持していると、賢い人はちゃんと気づいていたんだ。
マーメイドの気持ちもわかるよ。暗い部屋の中ひとりで目を閉じる。