フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

阿吽

君について考えていれば大抵のことはどうでもよくなるんだ。だからほとんどのことは何も変わらずにうまくいく。初めて会った時よりも優しくなったねと言えば、最初から変わってないよなんておどけてみせる。可愛くも美しくも綺麗でもない私が世界の中心で息をして笑っていられるのはどこかの忘れんぼうのせい。いつだって疲れてふにゃふにゃしているのに、私を励ます君が優しすぎて泣きそうになるときばかりだ。何一つ許された気はしないけど、君と生きる先を思えば飛べそうに軽いと街灯は言う。会いたいと言えばあおうねと返ってくることが何よりも嬉しい。未来に色がつけば、幸せはもっと選びやすくなる。好きだと口にすれば強くも弱くもなれる気がした。魔法にかけて、かけられていれば明日も何も怖くはない。

ほとんどきみだけのばかり

君は何も知ろうとしないのに私の知りたいことを何でも教えてくれる。いつも眠そうな顔をして私の話を聞いたつもりでどこかそっぽを向いている。ガサツだと言われて口を大きく開けて笑った時、そういうところだよ、って怒られても心地いいから仕方ないの。それで、もうすぐまた冬がやってきたらどうするおつもりですか、私だけが浮かれて消えちゃったりしませんか。歩く時の癖も、首の匂いも、動かない観覧車も、全部抱きしめれば夜になる。ずっとモヤモヤしていれば忘れない気持ちを空にして、風船みたく飛ばせたら綺麗だと褒めてください。言葉にして消化したくないから、私だけの君ばかりだ。