フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

夜景

なんでもない休日、甘いケーキを食べて胃がもたれた。

うまくやりあって、折り合いをつけて

私だけがつらいわけじゃない、とか

ありふれた理由を武器に強くなったふりをする。

 

君に会えた日は特別だった。

私、どこまでも食べるくらい軽くなった気がして

タバコを吸う横顔もずっと眺めていた

夜が似合う人が好きだ、溶けてしまえたら。

おぼろげ

埃かぶった看板と焦げた黒髪、

少しずつ上がる声は大きな月を見上げたようで。

春を感じて軽くなってしまうから、

あんなに涙したことも綺麗な言葉で表せるの、素敵でしょう。

私を選んでくれたことも君を切り捨ててしまったことも

さよならがあたたかったのもきっと、嘘なのだろうけど

全てが平等におしまいに近づく。

私は盲目だったんだ。信じている方が楽だった。

青い花束

遠くへ行ってしまう可愛い女の子のために

手紙を書くことにした。

出会いと別れの季節になってしまったのだと

嫌でも思い知らされて、聞かなかったことにしたい。

幸せでしたと笑って泣いた彼女は、

とても綺麗だったな。

 

桜が咲いてしまうことを、私はずっと怯えて待つんだ。

春がきてしまったら、もう春は来ない。

私は、止まれない。