フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

ご褒美

私にはピアノも猫もない。

今日は雪が降らないから、誰も特別になれない。

甘いマシュマロの匂いがする部屋の中、

暖房の風量を強くしてパーカーを脱いだ。

きっと笑顔を振りまいて誰かを幸せにすることは

私には出来ないのだろうけど

君と二人でなら目がなくなるくらい笑ってみたい

くしゃくしゃの髪をそのままで

夜に溶けてしまえたらな。

帰り道

人身事故で遅れる電車、

暗い歩道、お店の灯り、

春になったら苺のクレープが食べたい。

小さなかたまりの氷たち、雪がそうでなくなったもの、

頬を裂くような冷たい空気も

手袋を忘れて石のような両手も

そのうち忘れ去られて、また思い出される。

音楽を聞かずに帰るのもたまにはいいかもしれない

誰もいない街灯の下、私は自由だ。