フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

またいつか

今日も歩こうと思って、肩をぐるぐるしながらるんるん鼻歌うたってたよ。

夜の雲は湿度が高そうで、なんか黒蜜舐めたくなった。胃もたれ、致死量って言葉が好きでよく使ってしまう。
街灯に群れる虫を見つめて苦しくなるみたいに、風のない夜には答えが出しにくくなる。

遠くにいきたい、だから東京に憧れていた。
生きていればまた東京に戻れると言ってくれた人がいて、私は生まれた町に戻ってきたの。
でも、このままじゃだめだ。歯を食いしばって笑いながら加速していく。
背中にくっつくTシャツ、帰宅する人たちとすれ違って、サビが終わるまでにトンネルから抜け出せなかった。吸って吐いて吐いての、繰り返し、明日の自分に許されたくて生きてる。
あのね、もう年齢のせいで諦めるのやめた。私にはまだ未来があるから、過去にとらわれるのやめたよ。なんて言ってもまた後悔して泣いたりするんだろうけど、立ちあがったときの気持ち忘れないように言葉に残しておく。いつか笑いながら読み返すんだろ、もうわかってるんだ。自分のことくらい。
ねえ、あなたにも生はまだあるでしょ。楽しもうよ。楽しんだもん勝ちだと思うの、私は。 

僕はヒーローになれない

 「なんでそんなに優しいの」って聞いてしまうのは私の癖です。

どこかの誰かさんのおかげで、世界中が優しく怪しくみえるよ。

夏が終わっても、冬になっても、誰からも逃げられないし、私は私のままだ。

頭が痛いよ、いつかは楽になるかな。終わりは絶対なのに、途方に暮れてしまう。

ハートが黒くなりそう。悪いのは脳か心臓か。とか、たまに考える。

夜に青は溶ける

お風呂上がりに冷えた麦茶を飲む時が幸せ。そういえばずいぶんと爪が伸びてきた。今夜は久しぶりに遠くまで歩いてみたら、大豪邸大豪邸大豪邸。私の知らない世界が広がっていて、きっとあの人たちは水道水なんか飲まないんだろうなと思った。私は洗面所の水だって飲んでしまえるのにな。たくさん歩いて汗がひいてきたら、心が少し軽くなる。

誰もいない交差点で律義に青信号を待つとき、明日のこととか未来のことを考える。今年の冬コートは何にするとか、やっぱりローファーがほしいとか、先の事を考えると生きているみたいで楽しくなる。ライブの予定もいっぱいあるし、家族や友人と出かける予定もある。君がどうしているかはもうわからないけど、たぶん生きているから心配してない。

久しぶりに会った姉に車酔いにはジンジャエールが良いんだよって教えてもらった。テレビの向こうでカップルが続々成立していくのを見て、理由もわからず涙が溢れる。私に足りないのは夏、きっと夏だ。だからずっと冬の夢を見ている。いつかの話をしすぎたせいで、私は今に嫌われてしまった。