フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

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新しく買ったワンピースがなんだか似合わない気がするから、あの子みたく髪を伸ばしてみようとおもった。外が、みんなが、世界が、誰がいても私ひとりだけ別の色の上に存在しているようで鏡の中を覗き込んでも自分しか映らない。テレビと同じように笑っても少し機嫌がよくなるだけ。手を伸ばしても触れられないこと、声の響かないこと、黙る背中の大きいこと、その目に私がいないこと、私がどんなに好きでいても届かないことを知ったのでいつもよりも少ないお湯の中、体を丸めて浸かっていました。