フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

ぼくらの街

いつかあの人みたいになりたいと思って生きていても、自分がその歳を過ぎるとあまりの未熟さに恥ずかしくなるもの。大人になんてならなくていいから、ここは綺麗な新宿のようでした。君に出会ったのはいつの冬だったか曖昧になって美しい。崩れたら直せばいいから、隣のぬくもりが消えちゃう前に手を重ねる。空は遠い方が澄んで見えた、ビルの群れに甘い香り、オレンジと黒を抱いた人は嬉しそうに微笑んだ。私がもし間違えなかったら、君はここにはいないね。だからもう全てが許されて当然なのです。長いホームの上を走って、迷子みたいだねって弾む息。もう冬が来ても寂しくないと思えてしまう程の幸福。