フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

目黒川

今年もちゃんと、桜を見てきた。東京、大人の街。とても綺麗で、全てがどうでもよくなった。桜が誰にだって平等であるなら、それぞれに不都合が出てくる。

親友たちと並んで歩く。スパークリングワイン、ホットチョコレート、ブランデー。去年のことを思い出して泣きそうになった、真っ赤な顔してにやついていた。まだ消えちゃいないな、消えてくれやしないな。

さよならしたあとは、花見をしている人たちを眺めていた。ビルの2階、LINEの画面と白い花、お酒の匂いと電車の通過音。夜だ。あたたかな夜だった。出来るのならば、楽しくてあいまいな記憶だけに酔っていたい。

ハッピーエンドが不要な世界の、横断歩道の白線を行く。