フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

日記

食いわずらい

雨が止もうとしたから、壊れた傘を閉じる。今日はイヤフォンをつけていなかったから、外の音がいつもよりもうるさい。守られていたいのも傷つけられたくないのも、気づきたくなかったのにわかってしまったのは、名前を呼ばれて振り返ってしまった自分が悪か…

ヒロインになりたい

新しい洋服を買ったから違うところにも行けるような気持ちと同じくらい自由な夜がほしい。エアコンのフィルターをようやくきれいにしたから私は人間に戻れる。生きるって働くって明日が来るって果たしてもう全部わけがわからなくなることばかりで、小さな言…

回る地球

秘密が内緒になったら、君はどんな顔をするんだろう。へろへろになるまで働いて乗る電車の中、ほとんど優しさに守られて生きている気がするだけで私には何もない。痛む喉の奥、綺麗にしたいときに綺麗にできるものがいいと回る地球を見て思う。今が過去にな…

パソコンが壊れて更新できなかったね。

こんばんは。気づいたら6月です。久しぶりの3連休最初は最高で最悪です。でも生きてるんだよなあと涙もろくなったのはいつからだか思い出せない。今さらそんなこと言うんだって事件があって、どうしようもなく自分が醜くなる時もあって、同じくらい牙をむき…

泡沫

君が見ている私は本物で、私は私から見える君が好き。だから明日のために生きる今日は嘘っぽくて気に食わない。伸びた分だけ髪は切って、歩いた分だけ水を飲む。空を飛べるほど軽くなれたら、死ぬまで地面を這いつくばる。一人で生きていけると思うから私は…

迷子

寝違えた首が痛いまま、今日も終わってしまうのか。隣のあの子はオーバーヒートで氷を頭から被っている。君はおそらくもう幸せで、それを感じないことで平静を保っているのだろう。まだ何も始まってもいないのに桜の写真を見るたびに悲しくなるのは無責任だ…

好転

平成からずっと働いていてようやく落ちついた自分を見返すとボロボロになってとても誇らしくて情けなくなる。数もまともにかぞえられなくて、呂律も回らなくなってからが本番。それでも生きること働くことになにか意味を理由を見出してしまったから、サラサ…

また明日

あの青を君は赤と呼ばないから、私の今日は染まらない。雨音が聞えない夜の駐車場の街灯の下の小さな生き物たち。きっと、何かが変わっても僕らはこのままだと笑いあえるのは幸せなことだ。そう信じて傘も差さずに歩いていく歩道の向こう。

ショートブレッド

今日も理不尽で小さな世界で生きて、この前可愛いお店で買ったクッキーがおいしかったことだけが正解の日だった。湿気にやられて消えてしまいそうだし、平成が終わる気だって更々ない。明日もあさっても誰かのことだけ考えて時間が過ぎるのが最高でしょ。き…

思いは

私が言葉にするたびに大好きな君が遠くなる。甘い香りに包まれても可愛い女の子にはなれないから、黄色い線の外側を歩く。風に揺れたそれは、きっと美しいと形容されるのが幸せだ。迷子ではないのに同じ道を何度も通っては喉が渇く。あの桜並木もおしまいに…

優しい傷跡

君なら傷つかないだろうって笑われたけど、私だってあなたと同じ人間ですけど、涙だって出るし死にたくもなるよ、当たり前だろって、言えなかった。だから空気になれたらよかったんだけど、私は私のままでそれはずっと続いていくんですよ。ねえ、今どんな気…

斜陽

駅のホームで買ったコーヒーを飲まずに流しに捨てて、テレビの向こうの人みたいに笑ってみる。人生が思い通りにならないことが思い通りになっているから、楽しくなって転んだふりをして傷ついても今日と一緒に明日に向かって終わっていく。私に夜が来ても何…

普通になれない

「詩を書けなくなるくらい幸せになれたらいいね」と誰かに言われたことがある。その意味はわかるけど、理解したくない気持ちばかりでどうしても納得がいかなかった。なぞるたびに苦しくなるから、過去はなるべく思い出したくない。あの頃の私はもういないけ…

君のせい

桜が咲くから、好きだった人が夢にも出てきた。あの時と変わらない大きな背中で、無口のはずなのにたくさん話しかけてくれた。でも本当は何を話したかも全部忘れて、思い出に君がいたことしかない。そうやって触れていくもの全て壊してしまうような小さな優…

盲目

あまりにも胸がいっぱいで、音楽が聴けない帰り道がある。そんなときに君のことしか考えていないんだなと気づいてしまう。テーブルの上を片付けたら軽くなれた気がしてもうあれから一ヶ月だねと電波の向こうに囁いた。風が強いのも頭が痛いのも何度も起こし…

ごめんね

ずっと体調が悪くて言葉がまともに出ない日ばかりだった。自分の唯一の場所ってどこなんだろうね、全てが嘘に思えるときだってある。例えば私は自分以外の人なんて本当はどうでもいいんだって言ってるくせに、そんな誰かによって明日も生かされるだろう。君…

誕生日

今日で25歳になりました。気づいたらもう四半世紀生きていたことになりました。米津玄師のあの歌も随分昔のような気がして、今日の青空はただただ春だった。あたたかかった。 懐かしい人から連絡があって今度会うことになった。もう思い出したくもない頃の友…

いつかの日に

何か書こうとしたのに書きたいこと全部忘れて何度もタイピングしては消している。明日の準備もしてあと寝るだけなのに眠りたくない気持ちをわかってくれる人とは仲良くできると思うんだ。たぶんそのうちこのパソコンが壊れる。この子ね、高校2年生の夏に買っ…

彼方

ポケットに手を突っ込んで、左目から涙を流しながら歩いた。もうすぐ冬が終わってもまた泣いちゃうことばかり起きてしまうね。好きな人を嫌いになる瞬間って、どんな時に起きると思いますか。夜に消えていく二人になれたら、新しい名前ができたら。本棚の並…

優しい雪

髪を切ったのに、誰も気づいてくれなかった。だからトイレの鏡をずっと眺めては昨日の自分に謝り続ける。雪が降り始めたんだ、と誰かが教えてくれたから、とても寒いのに傘も差さずに空を見上げた。濡れた地面も白い息もどこか知らないところまで流されてお…

あんなに願っていた未来は簡単に明日としてやってくる

過去の自分が他人にしか思えなくて苦しくなったらどうしたらいいのかわからない。 他人だと思うことにして楽になれば自分が誰なのかわからなくなる。 私は一人になった、だからもうあの時みたいに地球を壊そうとも思わない。 救えない愛もないどうしようもな…

恋と檸檬

鼻と喉の違和感が少しずつ顔を出すから、きっともうすぐ風邪を引く。本当なら早く寝るべきなのに、こうやってキーボードを打ちこんでいる自分が寂しくもなる。上手くいくことばかりじゃないのもわかっているし、あと一本遅い電車に乗っていたら閉じ込められ…

ひみつごと

世界に隠れて好きな人に会った。今日はとても風の強い日だった。私は、明日が来るまでに、今日の私を終わらせなきゃいけない。良いことも悪いことも平等に降ってくるから、お菓子ばかりタンスに詰め込んで安心するの。バッテリー残量がもうなくなると警告さ…

独白

会いたいと思えば会えないし、灯りを消そうとすると通知が鳴る。東京は遠くて冷たくて青い街なんですよと誰かが言っていた。今日は暖かいと思ったからスヌードをつけないで外に出たのにさ、風が痛くて涙が出そうだった。カフェラテでも飲んで時間をつぶして…

ただいま

最近は毎日暖かい気がする。だって家を出た瞬間の空気が違う。去年よりもずっと生きやすい。誰のせいかきっと君は気づいていないだろう。丁寧な暮らしはできないし、毎日のように頭痛はあるし、あと少し自分を許せたら、きっとあのワンピースも着れるように…

心中

どこかで少しずつ消えていく春と冬のせめぎ合い、さっき少し眠ったから相変わらずの頭痛。いまひとつ消化できない誤表記も君の気持ちも言葉にしたくないからうやむやにしたまま放置している。私にはたくさんある時間も、君の一瞬の一部。机の上に並べられた…

変わらないもの

もし魔法にかけられていたら、私はここで座り込んで泣いてはいないし、 知らない地名を眺めながら君の声を聞いてはいない。 風と時間と人が通る道、冬ですねと言ったら答えてくれた人がいた。 春がやってきても私は桜にはなれないし、この汚い顔は夜が似合う…

おさがり

どちらから手を繋いだのか覚えていない。あの赤信号の先、さよならの向こう側。 古いジャズの音、排気ガス、踏切を何回渡ったかを君は覚えているだろうか。 きっと、子どもの頃には理解できない感情。でも大人になった気はさらさらない。 夜景が綺麗なのも、…

告白

約束をしたから、私はここにいる。ミルクチョコレートをかじりながら、明日を待っている。あの日見た遠くの空の混ざり合わない青とオレンジみたいな、天才でも原石でもない私。腫れた目を煩わしく思いながらまばたきをする。私にはずっと、会いたい人がいる。

回る車輪

家から駅までの道は少し遠いほうがいい。今日は左目から涙が溢れて、スタジオの工事は中止されていた。 あの駐車場に止まっていた青い車は黒くなっていたし、シロツメクサの薬指は少し緩い。 電車が遅れているとアナウンスがあって、病院の時間に間に合わな…