フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

失って気づくとか、そんなものじゃない。だってまだ何もはじまってはいない。終わってもいない。

私の中にある君が、あの時からずっと同じ呼吸と体温であり続けているうちは。

致死量の桜、満開。喉が渇く、煙草の煙は白くて綺麗。

左手と右手、人々、賑わい、甘いお酒にありふれた贅沢と夜。

大きな背中は、赤信号、エンジンの音、東に向かう。

誓いみたいな祈り、いじわるなくらいがいい。お別れは、まだ早い。

公転した頃には、心臓が茶色く染まっていた。恋をしたつもりだった。

思い出だけで何度でも転んで立ち直るみたいに、私もあのときのまま、変わらない。

目をつぶって、思い出してみると、君は本当に綺麗な横顔をしていた。