フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

花になれば

春が近づいてるのが、外の匂いでわかってしまう

マフラーも手袋もいらないくらい、外があたたかいから。

ニコニコしながら散歩して、桜のこと考えてニヤニヤした。

 

あの思い出もこの思い出も全部一つずつ大事にしたい

名前をつけてまた開くときまでしまっておく

桜が咲いたら嫌でも気づいてしまうね、君はどうですか

私が思っていること何一つ知らないでいてほしい。

 

でもたまに思い出して悔しくなったり、寂しくなってくれたら

そして最後に笑ってくれたら

私、嬉しいな。

染まりたい

もうすぐ誕生日が来る。

前の仕事を辞めてからの一年はあっという間だった。

案外生きるのは楽だったんだなと、

マニキュアの剥がれた爪を撫でながら思った。

あんなに苦しんでいたのに、ばかみたいじゃん。

知らない間に乗り越えちゃってるの、やめてほしいんだ。

いつかのために今日も生き延びてしまった。

たぶんそろそろまるくなれるような、そんな期待ばかりで。

帰り道に浮かぶイメージも、夜空を見上げて思うテーマも

あの頃と変わってしまった。それも全てが正しかった。

 

 

ご褒美

私にはピアノも猫もない。

今日は雪が降らないから、誰も特別になれない。

甘いマシュマロの匂いがする部屋の中、

暖房の風量を強くしてパーカーを脱いだ。

きっと笑顔を振りまいて誰かを幸せにすることは

私には出来ないのだろうけど

君と二人でなら目がなくなるくらい笑ってみたい

くしゃくしゃの髪をそのままで

夜に溶けてしまえたらな。