フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

魔女の目

今日の三日月はなんだか綺麗で

吸い込まれてしまいそうで、立ち止まって眺めた。

頬に触れるなまぬるい風、横断歩道、

枯れ葉の踏まれた音、どこからか金木犀の香り、

まだ明かりの消えない校舎の前を通り過ぎて

誰も待ってはいない家に帰る。

桜が咲けば呪いも消えるだろうと

裸の木を見るたびにそう思う。

咳をしながら歩く歩道、いつかを夢見て眠りにつくまで

夏が終わって秋がやってきても、

私はいつものように笑っていたい。

夢中

横顔も寝顔もまだ知らない過去もあの夜景も坂道の向こうの景色も二日酔いの朝も全部間違いなく本当で私は今も生きてる。
君がいなくなる時まで一緒にいると言ってくれた人がいて、その言葉は魔法みたいに軽くて台風に吹き飛ばされてほしかった。

君に嫌われないか怯えているうちは、私も女の子なんだって気がして胸が高鳴る。朝がやってくる、いつもと同じだけれどまったく違う日が始まる。

正しいと思えばそれが全てだよね、間違ってないよ。大丈夫、また同じことの繰り返し。安心も安寧もない、夢の中の話。

机の上に物がたくさんあったから、全部箱の中にしまって楽になった。

窓の外、虫がうるさい。いらないものばかり集めている気がする。

扇風機の風で壁のポストカードとドライフラワーがひらひら舞って、落ちてこないか不安になって、

明日には東京にいるのだから無敵にもなれる。遠い街に私の姿が見える。

日曜日にはずっと好きだったバンドのライブにいけるので、

あと少し頑張ってみようと言い聞かせて頭痛と喧嘩してるの。でも負けそう。

最近の自分は、つまらない人間になってしまった。たまに起きることだからもう仕方ないけど、

これが普通だとしたら私は不幸になりたいのか、とか、考えちゃう。

私も結局あなたの一部であるなら、もっと楽に君と出会いたかった。