フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

潜水

毒を抜かないといけない、私にたまった膿を出さないといけない。刺して、つぶして、軽くなることだけが正義みたいなこの世なんてなくなればいいのだ。まず最初に私が。

空を切れたら半分くらい君にあげる。雨が降りそうで少し悲しくなった。夏が終わっていくことが恐怖でしかないよ。変わるものが怖くて外に出られなくなりそうだ。またあの時みたくなるというのか。不幸になりたいのか、不幸にはずっと慣れないままだ。

もう少しだけ一緒にいたいと泣いていたときもあったのに、今じゃ笑顔でさよならできる。そんな大人になった自分をあざわらってほしいと思うし、涙がいつだって正義なわけじゃない。

壊れたゲームひたすら叩いて笑う。過去も全部思い通りに行かなくなる前に燃やすしかない。自分が認識できなくなればそれはなくなったと同義だ。

私を選ばないで彼女を選んだこと、当たり前なんだけど悔しくて泣くよ。そんな自分が醜くて泣くよ。泣いてばかりで目が腫れたらもっと救われないから、月が消える前に潜れ。 

水になる

遠くの街に住む君に恋をして、恐竜の卵も東京タワーも偽物だと知った。

君はきっと違う誰かを抱いて眠る。冬になれば悲しくなるのはそのせいだとずっと思っていたんだ。

胃に大量の麦茶をぶちまけて、ふらふらになって階段を上る。

幸せになることを諦めたくないから不幸にだってなりきれる。

演じることは大切で、いつだって無知が好まれることくらい知ってたよ。

ぶりっこが嫌いなのも、薄いピンクが嫌いなのも、全部あたしに似合わないからだ。

大人になってしまったから可能性がどんどん小さくなっていく気がする。

嘘がこの世界を維持していると、賢い人はちゃんと気づいていたんだ。

マーメイドの気持ちもわかるよ。暗い部屋の中ひとりで目を閉じる。

ガラスみたいだ

ラジオで15歳の女の子が恋をしている話を聞いていた。冷房の風にあたりながらどんどん冷えていく身体とちょっと赤い気持ちと、明日は晴れるといいなって願ったりしてる気持ちで胸が苦しくなる。
スピッツがながれて、ギターが弾きたくなる。爪を切らなきゃ。そういえばこの前マニキュア塗ってみたいなと初めて思った。規則的になる音、爪は短い人が好きです。
ねえ、もっと楽しいことしたいです。ドキドキしたいです。心臓を止めたくないんです。まだ私には可能性がたくさんある気がして、なんでも出来る気がするの。夜だからこんな気分にもなるのかな。暑い時にはなにもしたくなくなるのに。

家の近くに公園があったら、ブランコに乗りたいし滑り台の上に座り込んで月を眺めたい。あと、ベンチに座って話すだけでときめくような恋がしたい。

制服はもう捨てたし、あの時聞いていた曲はもう聞けないけど、全部許して明日も生きていく。

壊れることも、怖くはないよ。