フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

麦わら帽子とワンピース

今日は風が強かった。駅までの一本道、麦わら帽子が飛ばないように押さえていると、ワンピースもばたばた揺れる。なんか楽しくなって笑えてきちゃった。大好きな友人と待ち合わせした品川駅まで、久しぶりの遠出でした。

白と黒に紛れて歩く青いワンピース。自由か異端かわからなくて、でもどっちでも正解だろうから、何も考えないことにした。汗のにおいと水の音がする。信号が点滅するから少し走って渡った。冷房が効きすぎてぶるぶる震えながら飲むサワーはおいしかった。

東京ってちょっと特別な気がするんだよ。いつ来てもそう思う。住んでいたときにもずっとそう考えていた。結局選挙には行けなくて、都民らしいことはなんもしてなかったけどさ。憧れの街。ずっと変わらない。ああ、たぶん君が住んでいるから、特別なのかもね。

 

 

標高11.5m

今日の月はとても近くにあるようで、トンネルのすぐ上で輝いていた。歩いていた足が止まって、目線を合わす。きっと昨日よりも明るい。開いていた口を閉じて、小学校の方へ向かう。誰もいない道を歩くのが楽しくて、街灯だけが生きてるみたい。

3月のときのあの白に近い透明な空気がほしい。夏はもう十分だ。この道を通るのも何十回目なんだろう。汗だくのおでこがとても愉快だった。

ああ、なんか背中が詰まってる。苦しいって聞える。頭痛はしなくなったのにな。

扇風機のタイマーをつけて、これが止まる前に眠ろうと思うけど、なかなか達成できない目標。ちょっと、難しいことが増えすぎた。
もういいかなって諦めたくなるけど、どうせ死んじゃうこともできない。

大事にされたい、好かれたい、満たされたい、恋したい。

今日も流れ星は見えない、小さな飛行機が飛んでいくだけ、一等星の光はどれくらいだったか。理科の教科書はもう捨てちゃった。
あたしの負け、あなたの負け。優しくなれないのなら、二人でいる意味はない。

愛なんて知らないくせに、愛されたいと願うのはずるいよ。

おんなのこはね

冷房にあたりすぎて、学生に戻ったつもりでいる。図書館とか、自習室とか、しーんとした空気が懐かしい。あの頃と比べることはもうしてないけど、いつ思い出しても楽しかったと笑えることがあって嬉しい。

最近は夏バテ気味だから、アイコンの右上に表示される数字が嫌い。スマホの通知をOFFにして、ひたすらグラブルしてる。大事なのはバランスとか、余白とか、わかっていてもうまく変われない。

女の子にうまれたのなら砂糖ぐらいに甘くなりたい。可愛いねって言われたくて生きているようなもんだと思う。唇用のパックが大きいから半分にきって余りを膝に乗せた。夜の散歩中にすれ違う人たち全員をにらみつけたくてしかたないときもあるし、私もいつかああなりたいと尊敬の眼差しで見てしまうこともある。

甘い香りが似合うようになりたい。おでこから垂れてくる汗が目に入って沁みることにも慣れた。あと少し、変わることが出来ない。頭痛はもうないのに、ずっと首が詰まっている気がする。