フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

まるくなれ

夢なんか見てなかったんだよって、それくらいぐっすり寝たい。寝起きからめんどくさいことを考えて、構築して、ナマケモノになる。悲劇。

甘すぎないドーナツみたいな、優しさがほしい。話してもいいんだよって微笑みかけてくれるみたいな。わからないことと、わかりたいことの差は大きいから、海がきっとなんとかしてくれる。

結局はお腹の中の出来事なんだと、誰かが言っていた。浮かんでいる、あなたもわたしも、はなればなれになれずにいる。

私の真ん中

ずっと好きだった人がいて 
たぶんまだ好きなんだけど 
もう忘れたつもりだったのに、その人の話を久しぶりにしたら 
思い出しちゃった。反省してるの。 

可愛くなることも、痩せることも、自分磨きしてること全部全部 

彼に可愛いって言ってもらいたいからでしょ?って言われて 
よくわかってるなあって笑っちゃったよ。 

ほんとはね、そうなんだよ 
その気持ちだけで、毎日走ってる。 
もう会えないと思うけれど 
でもまた会える気がする 

私の人生の中で一番大切な人だった、呪いにも似た願いみたいだった。 
報われないな、きっと。どんな結末になっても報われない。 

でも、それでもいい。今は君のために生きてるけれど、いつかは絶対私のために生きてやる。


シガーモヒート

昼前のバス停、並んで待った。終点は吉祥寺で、君とはそこでさよならする。学生と、おばあちゃんと、ママと赤ちゃん。君は背が高いから、ずっと見つめていた。冗談。なんであろうと、見つめていたかった。ずっと。

あの交差点を曲がったら駅前につく。呼吸の仕方を思い出したように肺に空気が混ざり込んでくる。変わらない無愛想な横顔。バスを降りて、何事もなかったかのように歩きだす君は。少しの満足と寂しさを誤魔化して笑った私は。いつもの通りだった。

何度も通った道のことを思い出して、君のことも考える。煙草の煙が染みた洋服の匂いも、くりくりの髪の毛も、大きな手も。太陽の下を歩くときは生きている気がするんだったよな。あの時も、今でも。

最近は、月がとても綺麗な夜が多くなった。上を向いて歩く日が増えたのかもしれない。海も山もあって、桜もたくさんあって、なんでもあるところに帰ってきてしまった。君はまだ生きているのかたまに不安になる。そもそも、存在さえ怪しいんだ、君は夜明け前みたいな人だった。私が思い出すときだけ、君は生きているんだと思うよ。

でもまあ、いいか、死んじゃっても。来世で会うって約束したから。またね。