フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

着せ替え人形

「嘘つき、もう、消えてやる。」

 

って、息を止めて30秒で頭がくらくらして、心は不安になって、口を開けてしまう。覚悟と本能は相容れない。補強もない覚悟なんて、折れて使い物にならないのに。

冬は終わるから、春らしくなろう。その四季ごとに顔があったって素敵じゃない。外に出られることも、人と話せることも、醜くても笑顔を選んだのも、私がこうありたいと願ったからだ。
新しい服がほしい、新しい出会いがほしい。まんまるな地球と、おだやかな朝日と、甘い紅茶と、隣に誰かがいること。

過去の優しさにふやかされてしまうな。私は君がいる世界を選んだの。内になんてこもったら、嗅覚も聴覚も、この感覚全てお終いに近づいちゃうよ。

 

服を着て、顔と表情を選んで、靴を履いて。東京が待っている。あの赤信号の前で、待ち合わせ。

バニラの惑星

新宿は、そこにあるだけで全てを許すような、愛に似た無関心を持っている。誰の色にも染まれることは、決して褒められることではないと思うけれど、明日には海になっちゃえるくらい身勝手でいたい。

予約の5分前に着いて、地下への階段を覗く。笑顔の素敵なおじさまに挨拶をされた。照れる私たち。洗練された大人になるためには、もっともっと経験値を貯めなきゃいけない。

やっぱり、話の面白い人が好きだ。どうでもいいことでたくさん笑うのが好き。面白いなあって唸って、どうしてこんな面白いのかって真顔になるくらいが気持ちいい。

ヒーローにはなれない

ここ最近は、頭の巡りが悪くなったと思う。早咲きの桜を見上げては写真を撮る人たち、それを少し遠くから眺めていた私。この景色には何かが足りなくて、それはもちろん、満開のソメイヨシノと、大好きな人の横顔だった。わかっている。わかっている。それくらいは暗算で答えが出せる。

 

どうでもいい人には、無責任に結論を出してしまう。それが案外気持ちいいって喜ばれてしまうものだったりする。困惑と、困惑。随分前にむけた彼への言葉は流されてしまったのに。私は別に人助けをしたいわけじゃない。あなたは勝手に救われてしまった。

 

思うように笑顔が作れない日々が積み重なっていく。これもいつか終わるとするとしても、呼吸が一つずつため息に変わるように思えた。気のせいだって紛らわすのも飽きてしまった。それでも明日がまたやってくる。

 

昨日も生きて、今日も生きて、明日も生きて、の繰り返し。