フォークで刺した地球を

僕らは、ワンルームの蛍光灯の下で。

かぜ

鼻が詰まって苦しい。時計の音がうるさい。話せば棘ばかり刺さるとしても、口を閉じたら死んでしまう気がした。機械のように動けたら楽だったろうに、感情に流された身体は海にも浮かないな。

期待してまた傷をつけて、そうして生きてくことも悲しみを消せないことも、正しくない。

でも桜がまた咲くことは変わらなくて、それはとても美しいことだと思う。

シンボル

電車に乗って、大好きな東京にいく。少し緊張する。全てを愛せるわけじゃないから、うまく笑えるんだと思う。

ガラガラの車両に光が差し込んで、北へ北へ向かうのものだけがいる。肩甲骨が痛い。早く軽くなりたい。まだ時間が必要だけど、もう動き出さなきゃいけない。

トレンチコートを着ている人を見ると、春だなあってにやけちゃう。
そうやってわかりやすいシンボルに私はなりたい。ありふれた幸福に。

厚化粧

髪の毛をばっさりと切ったのに、なんの音も聞こえない。ただ真っ暗に染められた星の見えない夜だった。

汗ばかりが滴り落ちてうっとおしい。痛みには敏感な自分がいた。ぬるい気温に心も浮かれたような集団もいたっていうのに。

嫌いなものも食べられるようになったのにだれも褒めてくれないみたいに、私の恋はとても不純なものでした。ごちそうさま。